俺と初めての恋愛をしよう

「ここが、実家です」
「今日子やばい、俺、何も買ってこなかったぞ」

急いできたのと、どうやって挨拶をしたらいいのかと、緊張で頭がいっぱいだった。手土産まで頭がまわらなかったのだ。

「そんなこと、気にしないでください。来てくださっただけで十分ですから」
「悪かった」

少し落ち込む後藤に、今日子は握っていた手を空いた手で包んだ。

「開けますね……ただいま」

今日子がドアを開けて、中にいる家族に声をかけると、待っていたかのように家族総出で出迎える。

「後藤 俊介さんです。部長、父、母、妹の沙紀です」

 玄関に並ぶ家族を紹介する。

「初めまして、今日子さんとお付き合いをさせていただいております。後藤 俊介です」
「まあ、今日子、大ヒットね!さあ、さあ、上がって下さい。どうぞ」

母親がスリッパをだし、中へと招き入れる。
 確かにこの容姿を見れば大ヒットだと誰もが思う。

「お邪魔します」

リビングに招き入れると、そこの食卓には、母親と二人で作った夕食が並んでいた。

「こちらに座って下さいな」
「失礼します」

後藤は、今日子と並んで座り、父親と向かい合わせになる。後藤の緊張が、隣に座っている今日子にも伝わる。

「まずは、乾杯としよう。後藤さんはビールでいいかな?」
「恐縮です」

 父親のお酌を受け、家族で乾杯をした。

「うまいな。なあ、今日子」
「うん。お父さん」
「お義父さん、……僕は、先に言っておきたいことがあります」

 後藤の言葉に、何気に阻止をしようとしていた父は佇まいを直した。

「なんでしょう。」

 母、妹も緊張を隠せないようだ。