後藤に強引に連れていかれた柴野の店。あの時に失礼をしてしまったことが、今日子には気になっていた。
電車に乗り、柴野の店に着いたのは、昼のランチが終わっていた時間帯だった。
店のドアを開けると、客は数人しかおらず、混んでいる時間は過ぎていた。
店員に席を案内されると、柴野がテーブルに来た。
「やあ、いらっしゃい。一人?」
あの時と変わらない気さくな笑顔で今日子を迎える。
「あ、あの。こんにちは。……あの、この前は失礼してしまいまして」
しどろもどろになって今日子は柴野に謝る。
「いいの、いいの、気にしないでよ。今日子ちゃんが悪いわけじゃないし、後藤が強引だったからだよ」
「はい、すみません」
「今日はランチでいいのかな?」
「あ、でも、ランチタイムは終わったんじゃあ……」
「いいの、いいの。今日子ちゃんは特別だから」
「すみません。ありがとうございます」
人を楽にしてくれる気さくさが、今日子には救われた。
店に行くと決めたのは良かったが、ドアを開けるまで、悪い方向にばかり考えが行き、入るのを躊躇ったのだ。
だが、ちゃんと謝らなければ、今日子の胸のつかえがとれず、後味が悪い。
やはり、店によってよかったのだと、ホッとした。
ランチメニューが運ばれると、サービスといってグラスワインを持った柴野がテーブルに座った。
「お店は……」
「休憩時間」
そう言われて店内を見ると、今日子以外の客が姿を消していた。
「あ、すみません。何も気にせずに」
「ランチが終わると、従業員の休憩と夜の仕込みがあるんだ。それまではゆっくりしてってよ」
「いえ、そんな。柴野さんの休む時間が無くなってしまいますから」
「経営者は休む時間なんてないのよ。厳しいの」
電車に乗り、柴野の店に着いたのは、昼のランチが終わっていた時間帯だった。
店のドアを開けると、客は数人しかおらず、混んでいる時間は過ぎていた。
店員に席を案内されると、柴野がテーブルに来た。
「やあ、いらっしゃい。一人?」
あの時と変わらない気さくな笑顔で今日子を迎える。
「あ、あの。こんにちは。……あの、この前は失礼してしまいまして」
しどろもどろになって今日子は柴野に謝る。
「いいの、いいの、気にしないでよ。今日子ちゃんが悪いわけじゃないし、後藤が強引だったからだよ」
「はい、すみません」
「今日はランチでいいのかな?」
「あ、でも、ランチタイムは終わったんじゃあ……」
「いいの、いいの。今日子ちゃんは特別だから」
「すみません。ありがとうございます」
人を楽にしてくれる気さくさが、今日子には救われた。
店に行くと決めたのは良かったが、ドアを開けるまで、悪い方向にばかり考えが行き、入るのを躊躇ったのだ。
だが、ちゃんと謝らなければ、今日子の胸のつかえがとれず、後味が悪い。
やはり、店によってよかったのだと、ホッとした。
ランチメニューが運ばれると、サービスといってグラスワインを持った柴野がテーブルに座った。
「お店は……」
「休憩時間」
そう言われて店内を見ると、今日子以外の客が姿を消していた。
「あ、すみません。何も気にせずに」
「ランチが終わると、従業員の休憩と夜の仕込みがあるんだ。それまではゆっくりしてってよ」
「いえ、そんな。柴野さんの休む時間が無くなってしまいますから」
「経営者は休む時間なんてないのよ。厳しいの」



