「なんと!! 後藤さんは始めから結婚するつもりだったのは知っていたけど、 林さん、あなたもそうだったの?私はもう少しゆっくりと時間を掛けるのかと思っていたわ」
「は、はい。自分でもびっくりしています」
「意外と大人しいだけじゃないのね」
「先生、呆れちゃいましたか?」
「いいえ、おめでとう、林さん。でも、これからもっといい男が現れるかもしれないのよ?やっと、恋愛が分かって、とても綺麗になったもの。いいの?」
「え? あの、先生は今のご主人とは、何人目にお付き合いされた方なんですか?」
「あら、林さん怖いもの知らずね」
そうか、こういう事は聞いてはいけない事だったのか。今日子は慌ててしまった。
「す、すみません、失礼しました」
慌てて頭を下げた。
「いいのよ、冗談よ。……今の夫とは、3人目にお付き合いした人よ。医師という仕事柄、多忙で時間も不規則。夫に行きつくまでにお付き合いした人はそれが原因で別れたの。でも夫がそれは言い訳に過ぎない、何かこじつけたかっただけだ。医師になるまでに大変な努力しなければならないのは素人でも分かる。そんなやつは放っておけ、って。夫は製薬会社に勤務していて、私の担当の営業だった。年も近かったし話も合って、恋愛に関しても話をしていたのね。暫くフリーになっていた時に告白されてお付き合いを始めた。2年くらいしてプロポーズをされたわ」
「普通、そうですよね。私も部長に言ったんです! まだ付き合って数週間しか経っていないと。それでは直ぐに別れてしまうのではないかと」
「なんて言ってた? 後藤さん」
「俺には通用しないって」
「でしょうね。いい? 林さん。失敗を恐れてはダメ。後藤さんと別れることになっても次はいくらでもいるわ。あなたとても綺麗だし、健気だしね」
「……はい」
「これからいろんなことがあなたに降りかかってくるわ。今まで内向的な生活をしていたのに外へと向かうのだから。でも、後藤さんが傍にいる、安心なさい。不安は野獣が振り払ってくれるから」
そうだ、今日子はもう一人じゃない。一人で会話をしなくていいのだ。話しかければ返してくれる人がいる。悩みを打ち明け一緒に解決してくれる人がいる。後藤だけではない、植草もいる。
「そうですね。必要以上に追い払ってしまうかもしれません」
「ほんと」
植草と今日子は声を出して笑った。
「休憩が終わってしまうので、失礼します。あ、中島さんにもご報告しなくてはいけませんね?」
「それは、私からしておくわ」
「ありがとうございます。では」
「は、はい。自分でもびっくりしています」
「意外と大人しいだけじゃないのね」
「先生、呆れちゃいましたか?」
「いいえ、おめでとう、林さん。でも、これからもっといい男が現れるかもしれないのよ?やっと、恋愛が分かって、とても綺麗になったもの。いいの?」
「え? あの、先生は今のご主人とは、何人目にお付き合いされた方なんですか?」
「あら、林さん怖いもの知らずね」
そうか、こういう事は聞いてはいけない事だったのか。今日子は慌ててしまった。
「す、すみません、失礼しました」
慌てて頭を下げた。
「いいのよ、冗談よ。……今の夫とは、3人目にお付き合いした人よ。医師という仕事柄、多忙で時間も不規則。夫に行きつくまでにお付き合いした人はそれが原因で別れたの。でも夫がそれは言い訳に過ぎない、何かこじつけたかっただけだ。医師になるまでに大変な努力しなければならないのは素人でも分かる。そんなやつは放っておけ、って。夫は製薬会社に勤務していて、私の担当の営業だった。年も近かったし話も合って、恋愛に関しても話をしていたのね。暫くフリーになっていた時に告白されてお付き合いを始めた。2年くらいしてプロポーズをされたわ」
「普通、そうですよね。私も部長に言ったんです! まだ付き合って数週間しか経っていないと。それでは直ぐに別れてしまうのではないかと」
「なんて言ってた? 後藤さん」
「俺には通用しないって」
「でしょうね。いい? 林さん。失敗を恐れてはダメ。後藤さんと別れることになっても次はいくらでもいるわ。あなたとても綺麗だし、健気だしね」
「……はい」
「これからいろんなことがあなたに降りかかってくるわ。今まで内向的な生活をしていたのに外へと向かうのだから。でも、後藤さんが傍にいる、安心なさい。不安は野獣が振り払ってくれるから」
そうだ、今日子はもう一人じゃない。一人で会話をしなくていいのだ。話しかければ返してくれる人がいる。悩みを打ち明け一緒に解決してくれる人がいる。後藤だけではない、植草もいる。
「そうですね。必要以上に追い払ってしまうかもしれません」
「ほんと」
植草と今日子は声を出して笑った。
「休憩が終わってしまうので、失礼します。あ、中島さんにもご報告しなくてはいけませんね?」
「それは、私からしておくわ」
「ありがとうございます。では」



