俺と初めての恋愛をしよう

植草との話を思い出して、いい機会だと今日子は思いを打ち明け始めた。

「部長には私のように暗くて、他人の目ばかりを気にしているような女で、友達の一人もいないような女でいいのでしょうか、もっと他に部長には素敵な女性がいるはずです。私はこれからもきっと部長に迷惑をかけることが沢山あるでしょう。まだまだ人が怖く気になります。自信を持って部長と並んで歩くにはまだ時間がかかると思います。こんなぐじぐじとした私では、嫌になってしまうと思うんです」

今日子はまだ自分を造り替えるという目標を捨ててはいなかった。
後藤に愛されていることは分かっていても、そのことは別だった。
後藤は、はあ~っと呆れたように大きくため息を吐いた。

「やっと言ったな」
「え?」
「暮らし始めてから沈むことが多かった。そんなことを考えているくらいのことは分かっていたが、今日子から吐き出してほしかった。強引にここまでしてしまったことは認める。だけど、悪いとは思っていない。欲しいものは手に入れる。だが、それは今日子が俺のことをちゃんと信頼してくれているからだ、違うか?」

今日子は後藤の目を見つめた。