「私にお酒は無理なようね」
「何が無理なんだ?」
寝起きのハスキーな声で後藤は今日子を背後から抱きした。
「部長、起こしてしまいましたか?」
「いや、目が覚めたんだ」
風呂上がりの今日子の香りを楽しむように、後藤は長い今日子の髪を片側に寄せ、首筋に唇を這わせる。
「すぐに用意が出来ますが、ごはんを食べます?」
「いや、まだいい。昨日はかなり飲んだのか?」
「本当にすみませんでした。私ったら、とんでもないことを部長にお願いしてしまって」
「おいおい、部下と上司じゃないんだぞ。そんな畏まってどうする」
「でも……」
今日子を振り向かせ、後藤はまじまじと見ながら言った。
「俺が迎えに行きたいと思ったから行ったんだ。面倒なら断っていたさ。今日子が気にすることはない」
「でも……」
今日子は自分がさらけ出してしまった醜態が恥ずかしいのだ。思い出しただけで恥ずかしくてしかたがない。それに迷惑をかけた、それが一番の後悔だ。
「今日子の性格は分かっているつもりだ。だが、少し寂しい気がする。もっと頼って甘えてくれて構わないんだ」
「私、これでいいのかずっと迷っているんです。でも、部長が傍にいてくれることは嬉しいし会社にいても早く家に帰りたいと思ってはいるんです。それに、ちゃんと、その、部長が好きなのか、それともそうじゃないのか、強引に押し切られたから断れなくてついて行っているのか分からなくなってしまって」
「何が無理なんだ?」
寝起きのハスキーな声で後藤は今日子を背後から抱きした。
「部長、起こしてしまいましたか?」
「いや、目が覚めたんだ」
風呂上がりの今日子の香りを楽しむように、後藤は長い今日子の髪を片側に寄せ、首筋に唇を這わせる。
「すぐに用意が出来ますが、ごはんを食べます?」
「いや、まだいい。昨日はかなり飲んだのか?」
「本当にすみませんでした。私ったら、とんでもないことを部長にお願いしてしまって」
「おいおい、部下と上司じゃないんだぞ。そんな畏まってどうする」
「でも……」
今日子を振り向かせ、後藤はまじまじと見ながら言った。
「俺が迎えに行きたいと思ったから行ったんだ。面倒なら断っていたさ。今日子が気にすることはない」
「でも……」
今日子は自分がさらけ出してしまった醜態が恥ずかしいのだ。思い出しただけで恥ずかしくてしかたがない。それに迷惑をかけた、それが一番の後悔だ。
「今日子の性格は分かっているつもりだ。だが、少し寂しい気がする。もっと頼って甘えてくれて構わないんだ」
「私、これでいいのかずっと迷っているんです。でも、部長が傍にいてくれることは嬉しいし会社にいても早く家に帰りたいと思ってはいるんです。それに、ちゃんと、その、部長が好きなのか、それともそうじゃないのか、強引に押し切られたから断れなくてついて行っているのか分からなくなってしまって」



