俺と初めての恋愛をしよう

またも悶々として眠れたのは明け方近くだった。同棲が始まってからこんな状態が続く。今日子の気持ちを尊重するあまり、後藤が寝不足に陥る。
後藤がやっと眠った頃に今日子が目を覚ます。今日子は思い頭を振り起こし、起きる。暫くボーっとしていたが、状況がだんだん分かってきた。
肌寒さに身震いをする。そして、自分の姿に唖然とする。

「!!」

下着とキャミソールしか身につけておらず、言葉も出なかった。何故こんなことになっているのか、昨夜からの記憶を辿る。
居酒屋で飲み、迎えに来てとメールを打ち、知らない男に絡まれていたところに後藤が来た……。それからの記憶が全くない。
メイクも落とさず、寝てしまっている。一先ず、シャワーを浴び、すっきりした頭で考えよう。
そっとベッドを抜け出し、部屋着と下着をそっとタンスから出す。
後藤を起こさないようにそっと寝室を出た。
バスルームで二日酔いの頭をすっきりさせるために、冷たいシャワーを頭から浴び、スッキリさせた。
髪を乾かし、キッチンへ行き冷たい水を飲み、喉の渇きを潤す。
朝食をすぐに出せるように準備を始めた。昨日のアルコールが残っているのか、食欲がでない今日子だが、後藤は違う。簡単であってもきちんと用意をしたい、それが今日子の思いだ。
好きなコーヒーさえも飲みたくない気分で、今日子は何杯も水を飲む。後藤がいつ起きてくるかはわからないが、ソファに座って静かにテレビを見る。

「掃除と、洗濯をしなくちゃ」

身体のだるさとは逆に、やることを頭の中で考える。しかし、身体がソファにくっついているようで、動けない。