その言葉に後藤を思い出す。
飲み会に誘われたと後藤に報告をした。「あまり飲みすぎるな」とだけ言い、「楽しんでこい」と気持ちよく送り出した。
気になりながらも楽しい飲み会は続き、気がつけばかなりのお酒を飲んでいた。
毎回、コップに一杯しか飲まず退散し、家ではたまにしかアルコールを口にしない今日子は酔っていた。
「すみません。ちょっと」
佐々木に耳打ちをしてトイレに立つ。
トイレで自分の顔を見ると、ほんのり上気した自分が写っていた。
後藤のことを思い出し、無性に会いたくなる。あの腕の中に包まれたいと、人肌が恋しくなった。スマホを出したりしまったりして、後藤にメールを送るのを迷う。だが、会いたさが勝ち、思い切ってわがままを言ってみることにした。酔っていなければ出来ないことだった。スマホを取出し、メールを打つ。
“会社近くのイタリア居酒屋ボーノに居ます。迎えに来てもらえませんか?”と。
「どうしよう、わがままを言っちゃった」
気持ちが大きくなり、大胆な行動をとってしまったことに、今日子は後悔した。
返信も見ず、スマホをバッグにしまって、席へと戻った。
席に戻ると、いい時間になっていて、お開きにしようということになった。
話題は尽きることなく、気が付けば三時間経っていた。
「また、林さん、飲み会しましょうね」
「はい。また誘って下さい」
「じゃ、会計するか。すいませーん」
井上が店員を呼び、伝票で金額を確認して割り勘の計算をする。
「ひとり3000円で」
「私はこれで……後の残りを皆さんで割って下さい」
そう言って、今日子はテーブルに5000円を財布から出して置いた。
「いいですよ、林さん。皆均一に割りましょう」
佐々木が、テーブルに置かれたお札を戻そうとする。
飲み会に誘われたと後藤に報告をした。「あまり飲みすぎるな」とだけ言い、「楽しんでこい」と気持ちよく送り出した。
気になりながらも楽しい飲み会は続き、気がつけばかなりのお酒を飲んでいた。
毎回、コップに一杯しか飲まず退散し、家ではたまにしかアルコールを口にしない今日子は酔っていた。
「すみません。ちょっと」
佐々木に耳打ちをしてトイレに立つ。
トイレで自分の顔を見ると、ほんのり上気した自分が写っていた。
後藤のことを思い出し、無性に会いたくなる。あの腕の中に包まれたいと、人肌が恋しくなった。スマホを出したりしまったりして、後藤にメールを送るのを迷う。だが、会いたさが勝ち、思い切ってわがままを言ってみることにした。酔っていなければ出来ないことだった。スマホを取出し、メールを打つ。
“会社近くのイタリア居酒屋ボーノに居ます。迎えに来てもらえませんか?”と。
「どうしよう、わがままを言っちゃった」
気持ちが大きくなり、大胆な行動をとってしまったことに、今日子は後悔した。
返信も見ず、スマホをバッグにしまって、席へと戻った。
席に戻ると、いい時間になっていて、お開きにしようということになった。
話題は尽きることなく、気が付けば三時間経っていた。
「また、林さん、飲み会しましょうね」
「はい。また誘って下さい」
「じゃ、会計するか。すいませーん」
井上が店員を呼び、伝票で金額を確認して割り勘の計算をする。
「ひとり3000円で」
「私はこれで……後の残りを皆さんで割って下さい」
そう言って、今日子はテーブルに5000円を財布から出して置いた。
「いいですよ、林さん。皆均一に割りましょう」
佐々木が、テーブルに置かれたお札を戻そうとする。



