先延ばしになってしまった飲み会に、初めて参加する。
佐々木、高木と井上だ。
昼休憩を一緒にとって以来、佐々木は今日子と過ごす時間が増えていた。
佐々木は、月に一度、同僚の二人と飲み会をしていた。そこへ今日子も誘われて、初めて参加をした。
連れて来られたのは、安い値段でも、新鮮な魚介類が食べられるイタリアンの居酒屋だった。
小さな店内は、空いている席などなく、人気の店だった。
会社の近くに位置していたが、今日子は全く知らなかった。
「かんぱーい」
4人で乾杯をすると飲み会がスタートした。
「初めてですよね? 林さんが忘年会以外で飲み会に参加をするの」
「そうですね」
「この部署に配属されて以来、俺も初めて林さんと仕事以外で話しますよね?」
高木がメニューを広げ、選びながら聞いてくる。
「そう、俺もそう。何か隙がないっていうか、話しかけたらバカにされそうで……いや!悪い意味じゃないんですよ!?」
慌てて否定したのは井上だ。
「気を使わないでください。私、人見知りが激しくて、知らないうちに、話かけられないようにしていたのかも知れません」
人にどう思われているか、気にしないでもなかったが、とにかく人を避けることだけ考えていた今日子は、初めて部署でどう思われていたのかを知る。
「でも、話してみると、林さんには何でも話せそうで、包んでくれそうな温かさがあるのよね。でも支えてあげなくてはと思わせる感じもあって。見習いたいなぁ」
佐々木がグラスに口をつけながら、肩を落とす。
「佐々木さんは、とっても魅力的ですよ。ハッキリと自己主張もあって明るいし。人見知りもしないし。羨ましいです」
「いやいや、俺同期ですけど、こいつ男勝りなだけですよ。まだまだ林さんのような魅力は備わってないですよ。な?」
佐々木に悪態をつき、高木が井上の同意を求める。
「うるさいわよ。そうだ、林さん。部長とは転勤前から同じ部署でしたよね?」
「そ、そうね。かつての同僚も、移動したり、転勤になったりしてこの部署にもわずかの人しか残っていませんね」
突然、後藤の名前がでて、今日子は動揺してしまった。
「私が入社した時はもうすでに海外へ転勤になっていたので知りませんでしたが、めちゃくちゃイケメンですよね?」
「そうですね。女子社員にはモテていたと思います」
転勤前から女子社員から熱い視線を受けていたようだが、思い起こしてみても浮いた話は聞いたことがなかった。
「海外の事業も5年と言われていたのを3年で立ち上げて成功を収めて帰ってきたらしいじゃないですか。俺も見習わないとなあ」
「そうだな、男だったら海外勤務はあこがれるよな」
佐々木、高木と井上だ。
昼休憩を一緒にとって以来、佐々木は今日子と過ごす時間が増えていた。
佐々木は、月に一度、同僚の二人と飲み会をしていた。そこへ今日子も誘われて、初めて参加をした。
連れて来られたのは、安い値段でも、新鮮な魚介類が食べられるイタリアンの居酒屋だった。
小さな店内は、空いている席などなく、人気の店だった。
会社の近くに位置していたが、今日子は全く知らなかった。
「かんぱーい」
4人で乾杯をすると飲み会がスタートした。
「初めてですよね? 林さんが忘年会以外で飲み会に参加をするの」
「そうですね」
「この部署に配属されて以来、俺も初めて林さんと仕事以外で話しますよね?」
高木がメニューを広げ、選びながら聞いてくる。
「そう、俺もそう。何か隙がないっていうか、話しかけたらバカにされそうで……いや!悪い意味じゃないんですよ!?」
慌てて否定したのは井上だ。
「気を使わないでください。私、人見知りが激しくて、知らないうちに、話かけられないようにしていたのかも知れません」
人にどう思われているか、気にしないでもなかったが、とにかく人を避けることだけ考えていた今日子は、初めて部署でどう思われていたのかを知る。
「でも、話してみると、林さんには何でも話せそうで、包んでくれそうな温かさがあるのよね。でも支えてあげなくてはと思わせる感じもあって。見習いたいなぁ」
佐々木がグラスに口をつけながら、肩を落とす。
「佐々木さんは、とっても魅力的ですよ。ハッキリと自己主張もあって明るいし。人見知りもしないし。羨ましいです」
「いやいや、俺同期ですけど、こいつ男勝りなだけですよ。まだまだ林さんのような魅力は備わってないですよ。な?」
佐々木に悪態をつき、高木が井上の同意を求める。
「うるさいわよ。そうだ、林さん。部長とは転勤前から同じ部署でしたよね?」
「そ、そうね。かつての同僚も、移動したり、転勤になったりしてこの部署にもわずかの人しか残っていませんね」
突然、後藤の名前がでて、今日子は動揺してしまった。
「私が入社した時はもうすでに海外へ転勤になっていたので知りませんでしたが、めちゃくちゃイケメンですよね?」
「そうですね。女子社員にはモテていたと思います」
転勤前から女子社員から熱い視線を受けていたようだが、思い起こしてみても浮いた話は聞いたことがなかった。
「海外の事業も5年と言われていたのを3年で立ち上げて成功を収めて帰ってきたらしいじゃないですか。俺も見習わないとなあ」
「そうだな、男だったら海外勤務はあこがれるよな」



