業者が搬入を終え、帰っていくと嘘のように静かになった。
今日子はぎゅうぎゅうに入れ込まれた部屋で、段ボールをあけながら荷物を整理していた。
「今日子、メシはどうする? 食べに行くか?」
「あ、もうそんな時間ですか?」
昼を弁当にして、今はすでに夕飯の時間になっていた。
ゆっくり整理すればいいという後藤に、今日子は出来るとことまで整理をすると言って、部屋に籠っていた。
「買い物に行ってきます」
昼を弁当にしたのだ、夕食まで外食にするわけにはいかない。
「食べに行けばいいよ、いや、俺が何か買ってこよう」
「いいえ、それでは、一日中店屋物になってしまいますから」
「今日子がここに来るまで、俺の食生活は外食か弁当だったよ、何も気にすることはない。それに、引っ越しで疲れているんだ、手を抜けるところは抜かないと、疲れちまうぞ」
なぜか今日子は、自分が何も出来ない女だと思ってしまった。
一人だったら、こうした時でも好き勝手にお腹を満たすものを食べればよかった。つい、一人でいるような行動をしてしまう。
人一倍気を遣う今日子だが、こういうことはまだだめのようだ。
「すみません」
「何を気にして落ち込む?」
俯いてしまった今日子の顔を、後藤は覗き込む。
そんな気遣いをしてくれる後藤に対しても今日子は、気を遣わせてしまったと思っていた。
「一緒に買いに行くか? 買いだめもしなくちゃならないだろう?」
今日子は、うなずいた。
後藤は今日子が自分を責めていると、すぐに感じた。
「
今日子はぎゅうぎゅうに入れ込まれた部屋で、段ボールをあけながら荷物を整理していた。
「今日子、メシはどうする? 食べに行くか?」
「あ、もうそんな時間ですか?」
昼を弁当にして、今はすでに夕飯の時間になっていた。
ゆっくり整理すればいいという後藤に、今日子は出来るとことまで整理をすると言って、部屋に籠っていた。
「買い物に行ってきます」
昼を弁当にしたのだ、夕食まで外食にするわけにはいかない。
「食べに行けばいいよ、いや、俺が何か買ってこよう」
「いいえ、それでは、一日中店屋物になってしまいますから」
「今日子がここに来るまで、俺の食生活は外食か弁当だったよ、何も気にすることはない。それに、引っ越しで疲れているんだ、手を抜けるところは抜かないと、疲れちまうぞ」
なぜか今日子は、自分が何も出来ない女だと思ってしまった。
一人だったら、こうした時でも好き勝手にお腹を満たすものを食べればよかった。つい、一人でいるような行動をしてしまう。
人一倍気を遣う今日子だが、こういうことはまだだめのようだ。
「すみません」
「何を気にして落ち込む?」
俯いてしまった今日子の顔を、後藤は覗き込む。
そんな気遣いをしてくれる後藤に対しても今日子は、気を遣わせてしまったと思っていた。
「一緒に買いに行くか? 買いだめもしなくちゃならないだろう?」
今日子は、うなずいた。
後藤は今日子が自分を責めていると、すぐに感じた。
「



