佐々木に断りを入れられた安堵感で、ため息を吐く。たったこれだけのことだが、今日子にとっては骨が折れることなのだ。
後藤は何もしなくていいと言ったが、今日子はやはり少しでも片づけたいと言って、週末までの数日をアパートとマンションを行き来した。
その迎えはもちろん後藤がして、申し訳なさでいっぱいの今日子とは逆に、後藤は満足げだった。
週末までの何日間で、アパートの整理はあらかた出来ていた。
下着などは後藤のマンションに運び、あとは、業者に見られてもいいようなものばかりになっていた。
週末は朝が早いからアパートに戻ると言った今日子に、後藤は許さず、早朝に起きて後藤の車でアパートまで来た。
「お疲れでしょう? 引っ越しは私一人で大丈夫です。プロに任せますから」
「いや、いい。ほとんど何もないような部屋だ。運び出しに1時間もあれば済むだろう」
「はい」
電気、ガス、水道などそれぞれの担当者が来て、使用停止の手続きを済ませる。その間にも、引っ越し業者は淡々と荷物を運び出していた。
荷物をまとめているのは全て女性で、そこまで希望したのは後藤らしいと、笑ってしまった。
「すべて運び出しました。確認をお願いします」
「あ、はい」
あたふたしている間に、少ない家財道具は全て運び出され、部屋に残っている物はないかと、確認作業だけ残っていた。
後藤の言った通り、一時間ほどですべて運び出し、引っ越しは完了した。
後藤の車の後ろに引っ越し業者のトラックが続き、少し渋滞があったものの、車は後藤のマンションについた。
アパートの運び出しとは違い、マンションは、出入り口からエレベーターまで養生が施され、大した家財道具もないのに、大げさな感じがしなくもない。
マンション内では、使っていない部屋にまとめて今日子の荷物が運ばれた。
「粗大ごみも昔は引っ越し屋がやってくれていたが、今はダメらしい」
「そうなんですか」
「あとで、便利屋でも役所のリサイクルセンターにでも処分を頼めばいい」
「はい」
後藤は何もしなくていいと言ったが、今日子はやはり少しでも片づけたいと言って、週末までの数日をアパートとマンションを行き来した。
その迎えはもちろん後藤がして、申し訳なさでいっぱいの今日子とは逆に、後藤は満足げだった。
週末までの何日間で、アパートの整理はあらかた出来ていた。
下着などは後藤のマンションに運び、あとは、業者に見られてもいいようなものばかりになっていた。
週末は朝が早いからアパートに戻ると言った今日子に、後藤は許さず、早朝に起きて後藤の車でアパートまで来た。
「お疲れでしょう? 引っ越しは私一人で大丈夫です。プロに任せますから」
「いや、いい。ほとんど何もないような部屋だ。運び出しに1時間もあれば済むだろう」
「はい」
電気、ガス、水道などそれぞれの担当者が来て、使用停止の手続きを済ませる。その間にも、引っ越し業者は淡々と荷物を運び出していた。
荷物をまとめているのは全て女性で、そこまで希望したのは後藤らしいと、笑ってしまった。
「すべて運び出しました。確認をお願いします」
「あ、はい」
あたふたしている間に、少ない家財道具は全て運び出され、部屋に残っている物はないかと、確認作業だけ残っていた。
後藤の言った通り、一時間ほどですべて運び出し、引っ越しは完了した。
後藤の車の後ろに引っ越し業者のトラックが続き、少し渋滞があったものの、車は後藤のマンションについた。
アパートの運び出しとは違い、マンションは、出入り口からエレベーターまで養生が施され、大した家財道具もないのに、大げさな感じがしなくもない。
マンション内では、使っていない部屋にまとめて今日子の荷物が運ばれた。
「粗大ごみも昔は引っ越し屋がやってくれていたが、今はダメらしい」
「そうなんですか」
「あとで、便利屋でも役所のリサイクルセンターにでも処分を頼めばいい」
「はい」



