次の日はいつも通りに出勤した。
庶務をしている今日子は、デスクに重なっていた決裁を片づける。今日子の入社当時と違い、有給休暇を率先して取るのが、最近の傾向だ。
申請書や回覧が一日でたまっており、無我夢中で処理をした。
「飲み会? ですか?」
今日子は、最近慕ってくる佐々木に飲み会に誘われた。
断ることが苦手な今日子は、返事に詰まる。
「あ、ご予定でも?」
後藤に聞かなくてはと一瞬考えた。夕飯の支度もあるし、何より後藤は家で今日子と過ごすことを優先している。
しかし、佐々木の誘いも断ることが出来ない。まして、断る理由がないのだ。断るための嘘も苦手であるため、更に詰まってしまう。
「あ、いえ。あの……週末なら……」
金曜日なら、なんとか飲んでも週末を後藤と過ごすことが出来る。機嫌を損ねることもないだろう。
「あ、いいですよ。場所はこちらで決めてしまっていいですか?」
「はい、お任せします」
そんな約束事を交わして、今日子は直ぐに後藤に連絡を入れる。
すると、引っ越しだと言う答えが帰って来て、今日子は慌てた。
他人と予定を組むことがなかった今日子は、予定を立て、複数の人間と合わせるという行為をしてこなかったせいか、いつもの習慣のまま、週末を過ごす予定であった。もちろんそこには後藤がいることは忘れてはいない。
「いけない、どうしよう」
今日子が慌てると思っていた後藤は、仕事のように指示をだし、今日子はそのように佐々木に伝えた。
「ほんとうにごめんなさい。すっかり忘れていて」
「いいえ、ご実家に行かれる予定だったんですよね。じゃあ、その翌週の金曜日はどうですか?」
「ええ、そこなら間違いなく予定はないです」
「じゃあ、来週に延ばしましょう。楽しみにしています」
「本当にごめんなさいね」
「気にしないでください」
庶務をしている今日子は、デスクに重なっていた決裁を片づける。今日子の入社当時と違い、有給休暇を率先して取るのが、最近の傾向だ。
申請書や回覧が一日でたまっており、無我夢中で処理をした。
「飲み会? ですか?」
今日子は、最近慕ってくる佐々木に飲み会に誘われた。
断ることが苦手な今日子は、返事に詰まる。
「あ、ご予定でも?」
後藤に聞かなくてはと一瞬考えた。夕飯の支度もあるし、何より後藤は家で今日子と過ごすことを優先している。
しかし、佐々木の誘いも断ることが出来ない。まして、断る理由がないのだ。断るための嘘も苦手であるため、更に詰まってしまう。
「あ、いえ。あの……週末なら……」
金曜日なら、なんとか飲んでも週末を後藤と過ごすことが出来る。機嫌を損ねることもないだろう。
「あ、いいですよ。場所はこちらで決めてしまっていいですか?」
「はい、お任せします」
そんな約束事を交わして、今日子は直ぐに後藤に連絡を入れる。
すると、引っ越しだと言う答えが帰って来て、今日子は慌てた。
他人と予定を組むことがなかった今日子は、予定を立て、複数の人間と合わせるという行為をしてこなかったせいか、いつもの習慣のまま、週末を過ごす予定であった。もちろんそこには後藤がいることは忘れてはいない。
「いけない、どうしよう」
今日子が慌てると思っていた後藤は、仕事のように指示をだし、今日子はそのように佐々木に伝えた。
「ほんとうにごめんなさい。すっかり忘れていて」
「いいえ、ご実家に行かれる予定だったんですよね。じゃあ、その翌週の金曜日はどうですか?」
「ええ、そこなら間違いなく予定はないです」
「じゃあ、来週に延ばしましょう。楽しみにしています」
「本当にごめんなさいね」
「気にしないでください」



