自分でもついていけないほどのスピード
で、ごちゃごちゃにかき混ぜられた感情を抱えて、ただ、今ハッキリとわかるのは、それだけ。

それだけしか、判断材料はない。


「じゃあ」


コンビニの自動ドアが開いたチャイムの
音と、いらっしゃいませー、と言う店員の、この時間帯にはあまり似つかわしくないやたらとハツラツとした声が響いたのを合図にしたかのようなタイミングで、彼が口を開いた。


「そうだ、来週の日曜日。空いてる?」
「来週…って…」


言いながら、あたしはバッグの中からミニーちゃんの手帳を取り出す。

本当は、見なくてもわかっていた。

日曜日は頼まれでもしない限り、基本的にバイトは入れていないし、陽菜以外に、頻繁に遊ぶような友達もいない。


でも、さっき、彼氏がいないと即答したことを少し後悔したあたしは、「えーっ
と…」なんて呟きながら、ペラペラとページを捲る。

バイトのシフトと、大学の講義の予定と
、ところどころに陽菜の名前、あとは生理予定日を囲む◯印。
その中で、指定された日を見つけるとわかっていたとおり、空欄だ。


「うん。大丈夫みたいです」