私は、しばらく空を見上げ続けた。
奇跡、、、起こすからね。裕大。
「っ!」
しばらくすると、何かがふわり、ふわりと空から降ってきた。
「雪っ!」
裕大は子供のようにはしゃぐ。
そうだよね。だって、、、ここは、寒いのに今まで一度も、、、たったの一度も雪の降らなかった街だから。
そばに居た恋人達もはしゃぎだす。
リク君から今日の朝早くに教えてもらった魔法。
一つだけ、願いの叶う魔法。
でも、それと引き換えに、、、。
ねぇ、裕大。
半透明な私だけど、、、気持ちも、半透明なまま終わっちゃったけど、、、せめて、今だけは受け取ってよ。
気持ちを、雪にかえて。
その瞬間、眩い光に包まれた。
「バイバイ。裕大。」
裕大が雪にはしゃいでいる間に私はそっと別れを告げた、、、。

