私は、眠くならなかったので外に出て散歩する事にした。
「♪~♪~」
誰からも見えてないから、私は思いっきり大きな声で鼻歌を歌っていた。
別に、何していようが見えないし聞こえない。
「うっせーな。」
そう言って私を見てくる男性。
金髪で、目つきも悪い。
何か怖そう、、、。
そう思っていると、こっちに歩いてきた。
、、、と言うか、フワフワと飛んで来た。
「え?はっ?えぇ?!」
私が驚いて居ると、その男性は冷たい視線でこっちを見てきた。
「お前も浮いてんだろうが。ま、俺は、、、。」
男性は急に後ろを向くと、背中に生えている翼を見せてきた。
「俺は、天使だ。」
「え?」
怖そうなのに、、、。天使なんだ。確かに翼は生えてるけど、、、。
「俺も、事故で死んだ。彼女を守って。死んだ後、彼女を幸せにさせるどころか悲しませちまった、、、。ずっとそう思ってこの世界をフラフラ彷徨っていた。そしたら、急に体が透けてきた。俺自体が消えちまう寸前だった。でも、ある人に助けられたんだ。」
「ある人、、、?」
「おう。俺と同じ天使に。そして、その人は言った。この世界に残りたいのなら、彷徨って消えてしまうのではなく、みんなを幸せにする天使になりなさい。と。そして、アナタのようになりそうな人を助けてあげなさい。と。」
私はよく意味が分からなかった。
「だから、お前もこのままこの世界にずっと居れば天国へ行くこともなく消えちまう。消えちまったら、もちろん生まれ変わることも出来ない。」
「ウソ、、、。」
このまま、裕大と一緒に居たら私は消えちゃうの?生まれ変わる事も出来ずに?
「だから、お前も天使にならねぇか?そしたら、色んな人を幸せにしてやれる。」
「え?でも、、、。」
よく分からない。天使。なんて言われても。
「天使は、その通り、皆を幸せにする。まぁ、その分好きな奴とずっと一緒に居るってのは出来ない。あと、天使になったら、一通り仕事を終えるまで天国には行けない。今のお前の状態だったら、今すぐにでも行けるが一度天使になると、決められた数の人を幸せにしてやらねぇと天国に行けねぇけど、ここにはその分仕事が片付くまで居れる。どうする?」
どうする?って言われてもよく分かんないよ、、、。