救ってくれたあなたに…

職員室前……
足がとてつもなく重い。
でも、ここへ来る途中かー君が言ってくれた言葉を思い出す。
『僕がいるから!明衣香ちゃんは一人じゃないからね!』
どんな言葉よりも安心した。
拳を強く握りしめ、閉ざしてある扉を開ける。
「失礼します。先程呼ばれた神山明衣香です」
するとすぐに先生が……
「神山さん。入って。」
中は、先生一人だけだった。
先生の前に立つ。
「なんですか?」
「今日のことなんだけど…神山さんが篠上さんをビンタしたんだよね?篠上さんは何もしてないのに。」
私はすぐに今の先生に何を言っても無駄だと諦めに入った。
「そういうことでいいです」
「そういうことでいいって、どういうこと?」
「そのままです。」
「先生は事実が知りたいんだ。嘘で固められたことを言われて、被害者の子が加害者にされるのは嫌なんだ。」
私が今その立場にいます。
でもそんなことは言わなかった。
なぜなら、、、諦めていたから。
「私は事実を話しました。これでいいですよね」
「神山!何を隠してるんだ!」
先生がむきになり私の肩を強く握る。
「私が事実を話したところで今の貴方は信じてくれますか?」
「えっ…」
「先生の質問は篠上さんの言ったことを私にそのまま押し付けてるようですよ」
「………」
「失礼します。」
私は先生の横を通りすぎた。
すると先生は今にも泣きそうな声で、、、
『なんで、俺の想いは届かないのに永嶋の想いは届くんだよ』