レオは写真を映していた瞳を私に向けた。
「えっ?」
「これやったの私だよ。」
私はレオに全てを話した。
「明衣香、お願い…」
「やめないよ」
「お願いだ…頼む」
「じゃあ明衣香を抱きしめて耳元で『愛してる』って言って」
「そしたらやめてくれるか?」
「うん。」
するとレオは私を抱きしめ、耳元で言った。
『愛してる…』
私は無数の涙を頬に感じながら、レオから離れ言った。
「愛してるって恋愛の中の辞書では女の子が喜ぶ言葉になってるはずなのに…こんなに苦しくてむなしく悲しい言葉に変わるんだね」
「明衣香…」
「ごめんなさい、レオ。今の愛してる…彼女聞いてる」
そう言い残して私はレオの家をあとにした。
「もしかして…
『まき?』
『レオ…最低。レオなんか嫌い!大嫌い!』
『まき!まき!』

そしてレオは彼女と別れた。
私には感情が戻った。

『胸が優しくつつまる言葉も凶器に変わってしまう』