救ってくれたあなたに…

私は全ての授業をサボり、かー君と特別教室で過ごした。
放課後、放送が入った。
「神山さん。神山明衣香さん。職員室に来てください。」

「この声って…先生の声じゃない?」
「うん。」
「大丈夫?」
「うん。行ってくる」
「分かった…じゃあ僕も待ってるね!」
「…ありがとう。じゃあ…」
「行ってらっしゃい。」
私は走った。
誰も通らない静かな廊下を一人…
そんな私の背後から、かー君の声が聞こえる。
「僕がいるから!明衣香ちゃんは一人じゃないからね!」
私は、かー君の天使のように温かく優しい言葉に涙が滲んだ。
振り返らず私は、かー君にピースをした。
私の中での『大丈夫』のサイン。
この先の未来が見えなくても、滲んでいても、暗闇にみちていても私は……今だけを見つめていたい。