救ってくれたあなたに…

「明衣香ちゃん、そろそろ教えてくれないかな?岡島先生と何があったのか……」
かー君は優しく言ってくれた。
少し遠慮がちに。でも強く…
私は黙って頷いた。
「昨日、先生に電話したんだ。必死に携帯を握り締めながら。
手が震えていたのは、緊張していたからなのかあまりにも強く携帯を握り締めていたからなのかは分からないけど…
心から強く先生を求めてた。
しばらくして大好きな先生の声が聞こえたときは死んでもいいって思えるほど嬉しかった。
だから、先生に自分の気持ちを言おうって思ったら……………」
私が話すのをやめたから私達には沈黙が流れる。
先に沈黙を破ったのは、かー君だった。
「無理に話そうとしなくて大丈夫だよ。ゆっくりでいいからね」
かー君の変わらない優しさが心の奥まで伝わってきて、私の頬を無数の涙が伝っていく。
「電話の…向こう…から…先生の声…で……………『愛してる』って聞こえたの。私…その時…涙なんて一粒も流れなかった。ただただ唖然とするしかなかった。」
「大丈夫だよ。僕がいるから。一人じゃないから…泣いていいから。」
私は、かー君の制服を強く掴み、かー君の胸に顔をうずくめながら言った。
「先生に一秒でもいいから愛されたかった。言葉じゃなくてもいいから…先生からの何かが欲しかった!」


心から待っていた言葉は、私には届かない言葉となった。