私は、屋上に来て座り込んだ。
ひたすら涙を流しながら。
「なんで…なんで彼女でもない人に優しくしたりキスしたりするの。急に冷たくしたり…意味分かんない。」
「明衣香ちゃん?」
「かー君…」
中学から仲の良い男子。永嶋一真。
可愛い系の男子で、これまた女子から人気。
「どうしたの?」
「ううん。なんにもないよ」
「嘘だ…」
「えっ?」
「だって、明衣香ちゃん嘘つくと強がりながら笑うもん。だから口閉じながら笑ってる。今もそうだよ。」
「やっぱ、かー君には勝てないなぁ」
「えへへ。でっ、どうしたの?」
「かー君さ、愛ってなんだと思う?」
「相?」
「そっちの相じゃない!」
「じゃあ…こっちの哀?」
「そうそう。哀しいほうのね…」
「そうなんだ。明衣香ちゃん、哀しいんだ」
「当たり前でしょ!今、泣いてんだから誰でも分かるでしょ!」
「そっか。じゃあ、、、」
「考えなくていい!!愛!人を愛する方の愛!」
「あ~そっちの愛…」

はぁ。やっと伝わった。
天然すぎるだろ!

「僕にとって愛は……………分かんない!」
「えっ?嘘でしょ。なに~今の沈黙。凄く良いことを言ってくれるかと思ったら…」
「だって僕…恋したことないもん。だから分かんないよ。」

えっ?メッチャ可愛いんですけど~
なんか泣いちゃいそうなんですけど。

「あっ…ごめんね。泣かないで?」
「うん。」

良かった~
危ない、危ない。

『本当の愛は…本気で恋した人にしか分からないと思うけどな。』