救ってくれたあなたに…

『なんで』

その後の言葉が出てこない。

「バ・・・カ」

どんどん溢れ出す涙は止まることを知らない。

「勇気・・・」

どんなに名前を呼んだって

「起きてよ・・・」

どんなに体を揺らしたって

「寂しいんだよ・・・」

どんなに素直になったって

・・・・

目の前にいる大好きな人は目を覚まそうとはしない。

「お願いだから・・・」

目を覚まして

そう言おうとしたとき

先生の瞳から一粒の涙が流れた