救ってくれたあなたに…

「実はね・・・先生。岡島先生は自分がもう長くないこと知ってたんだ」
「しっ・・・てた?」
「うん。だけど明衣香ちゃん、先生すごく悩んでたよ。・・・すごく」
そう呟くかーくんはとても寂しそうな表情だった。
「・・・かーくんっていっつも先生に秘密にされてること私に教えてくれるよね」
「え?」
「ほら!先生が病気になったときだって教えてくれたでしょ?」
「あぁー・・・」
「あの人も学習能力ないよね~笑
教師なのに・・・」
「うん・・・笑」
「かーくん」
「ん?」
「先生のところ行ってくるね」
「うん」
そう言ってかーくんは優しく微笑んだ。
まだ目を覚まさない先生の元へ私は走った。