心の中で、必死に先生へ助けを求めた。
でも、遅かった…
レオの唇は私の唇へと結ばれた。
ただただ強引に…
とめどなく涙が零れた。
廊下の方から楽しそうな声が聞こえた。
「先生って彼女いるんですか?」
「えっと…いないよ」
「本当ですか?なら私と付き合ってください!」
「君が大人になったらね」
「やった!早く大人になりたい~」
間違いなく先生だ。
私…先生の彼女じゃないの?
もう分かんないよ。

「早く教室戻りな。授業始まるよ!」
「は~い」
だんだんと息が苦しくなってくる。
レオに抵抗するが、その抵抗も効かない。

「誰かいるのか?」
先生が私たちのいる教室へ入ってきた。
「神山?」
私はレオから離れた。
そして、教室を飛び出した。

『先生のキスで過去が忘れられた気がしたのに…レオのキスで全て思い出しちゃったよ。』