「俺は残り1年しか生きられないと言われてるんだ。ガン・・・だから。」
「1年?ガン?」
「だから、学校は辞めなきゃいけないんだ。もうすぐ入院だから。」
「いつ...からですか?いつから分かってたんですか?ガンだって・・・」
「正式に分かったのは神山と付き合い始めた頃だ。神山が屋上から飛び降りて入院していたときに俺も検査しに行ったんだ。そしたら余命を宣告されたよ。」
「なんで・・・なんでもっと早く言ってくれなかったの?」
「それは...」
「先生のくせに...バカすぎる」
明衣香は勇気に強く抱きついた。
「大切なことは彼女に一番先に伝えるものなんですよ。」
「ごめん・・・」
「先生・・・お願いごとしていい?」
更に強く勇気を抱きしめて
「なに?」
「余命なんかに先生の・・・勇気の人生を左右させないで。私今ならちゃんと言えるから・・・。
誰よりも貴方が好き。大好き。
だから別れるなんて、嫌いなんて言わないで!
もっと勇気の傍にいさせてよ!」
明衣香は自分に素直になった。
「神山・・・」
そんな明衣香を、受け入れるように勇気は優しく明衣香にキスをした。


もう離れない
どんなに神様か悪戯をしたって
私はもう貴方の傍を離れません