救ってくれたあなたに…

「じゃあ・・・なんで泣いてるの？」
「それは．．．」
先生は私から目をそらした。
「私のこと嫌いなのに、泣く理由がどこにあるんですか？別れたい人と別れられるんだから嬉しくて笑顔になるんじゃないんですか？
・・・・・泣きたいのは私よ。」
「・・・・えっ？」
「泣きたいのは私の方！今までずっと、先生に好かれる愛される自分でいようって頑張ってきた。
でも先生が違う生徒の子と一緒にいるから．．．だから嫉妬しちゃって。素直になりたかった。
素直になって自分の本当の気持ち伝えたかった。
私を一番好きでいてって。私を世界で一番愛してって・・・でもいざ先生を前にすると大人ぶったことしか言えなくて、素直になれたことなんて少しもなかった。だから．．．嫌いになられちゃったんだ．．．バカだな。私は・・・」
「神山・・・」
「バカ。最後くらい名前で呼んでよ。」




明衣香って・・・・