先生のキスは私の過去を忘れさせてくれる魔法のようなものだった。
「せん…せい?」
「なに?」
「なにって…教師と生徒だよ」
「教師と生徒が付き合っちゃいけない理由がどこにあんの?」
「それは…ないけど」
「じゃあ、いいじゃん」
「だから、そういう問題じゃなくて…」
「だったら、どういう問題?」
「もう…いいよ」
「大丈夫…なんかあったら俺が責任をとるから」
「えっ?」
「なんもない。」
「そうですか…」
「神山…」
「はい?」
「好きだ…」
「はい。」
「一応、言っとくけど告白するの、お前が初めてだから」
「はい。」
私は緊張している先生に笑いかけた。
「好きです。先生」

『心配なんかしてないよ。先生なら私の全てを受け入れてくれるかな?私…先生を信じていいんだよね?』