救ってくれたあなたに…

「永嶋くん・・・神山・・・さん」


先生は確かにいた。
でも私を見て、先生の顔は凍りついたように固まった。


「永嶋くんに神山さん。どうしたんだ?」
「校長先生に話したいことがあるそうです。神山さんが...」
「そうか。なんだい?」
「えっと...その...」

私が固まってしまったとき、かーくんがそっと手を握ってくれた。
そして私は強く決心した。

「岡島先生と私がお付き合いしていたことは事実です。ですが、岡島先生が悪いということは一切ありません。これ...署名です。どうか岡島先生を辞めさせないでください!お願いします!」
「僕からもお願いします!」
「神山...さん。永嶋くん」
「なぜ、君たちがこのことを?」
「篠上さんに教えてもらったんです。」
「・・・・・・」
「校長先生!お願いします!私は退学でも構いません!でも岡島先生だけは辞めさせないでください!」
「神山さん!」
「分かりました。神山さんを退学にするかわり、岡島先生はこの学校に残します」
校長先生は静かに言った。
「ありがとうございます!」
「明衣香・・・ちゃん?」
「・・・・それでは失礼します」
「神山さん!!」
私は走った。
ただただ岡島先生から逃げるために。
辛かった。苦しかった。
そんなたくさんの想いをした。
好きな人だけのために泣けた私は世界で一番・・・・



『幸せでした』