「僕も思うよ。毎日、明衣香ちゃんといるときは時間が止まればいいのにって思う。でもそれが不可能だから明衣香ちゃんといる1日、一分一秒を大切にしようって強く思うんだ。」
「そうだね……ねぇ、かー君?」
「ん?なに?」
「どうして私にそんな優しくするの?」
「う~ん。分かんない…」
「そっか。」
「でもね、ひとつだけ言えることがある」
「ひとつだけ?」
「うん。僕と似てるから…」
「かー君と私が似てる?」
「僕ね昔から児童養護施設にあずけられてたんだ。親のDVが原因で。そこから親戚にひきとられたんだけど、またDVが始まって。高校まで我慢してきた。中学を卒業したら楽になれると思って。で、高校入学してすぐに親戚の家から逃げて今は一人暮らししてるんだ。お父さんの顔も覚えてなければ、お母さんの顔も覚えてない、、、」
「………本当だ。私と似てるね。でも私はお父さんとお母さんの顔を知ってるんだ。でも、生まれたときから必要となんてされなかった。お前なんか育てなきゃ良かった。あんたなんて生まなきゃ良かった。って言われ続けた。苦しくて悔しくて涙も出なかった。私も今は一人暮らしだよ」
「そっか。じゃあ僕たち二人とも待ってる人がいないんだ…」
「そうだね…」

夜の星空で照らされている
あなたの顏
君の顏は…
どんな顏よりも美しかった。