「沙那にするつもりだった話を聞きに?」

「はっ。誰がお前に言うかよ」

「言えよ」

「言わねー」

「お前、拓人だっけ?しつけーよ」

「好きな奴に好きって言っちゃだめなのか?」

「だめじゃねーよ。けど、あいつは…沙那は俺のだ!」

「俺、これからもっと沙那にアピールするから」

「は?ふざけてんのか?」

「ふざけてねーよ?大真面目」

「…勝手にしろ。」


俺はそれだけを言い残して、教室に戻った。

絶対わたさない。離さない。

沙那が俺よりこいつを選ぶなら、もう俺はこれ以上何も言わねー。

重いってわかってる。

だけど、俺はお前を幸せにしたいんだ。

誰よりも幸せにする自信なんかない。

でもな?お前を愛する自信なら…

誰にだって負けねーんだよ。