「ネクタイ曲がってる。」

「指摘ありがとうございます。でも言ってくれるだけで…ぃです、から。」

耳にかかる息に意識が集中する。
このハスキーなかすれた声は心拍数を上げるのに十分すぎて。

「このネクタイも、馴染んだきた。」

通常、この立花高校は赤のネクタイ。
私のネクタイは黒色に白ライン。
委員長は皆このネクタイを支給される。