家に帰ってポストを見ると、ノートが入っていた。

随分前に先生に出した、私の数学の課題ノート。


出さなくても良かったのだけれど、先生に提出した。


なかなか返って来なかったノート。

忙しい先生の姿を見て、返って来なくてもいいって思ってた。

私のノートを、先生が持っているのが嬉しかったから……。



ノートをパラパラとめくる。

先生が付けた丸さえも愛しく感じる。



最後のページには……



【お疲れさま。明日頑張れよ!Good Luck!】



大好きな先生の字で、大きくそう書いてあった。

きっと先生は私の合格を誰よりも願ってくれているだろう。



私には先生がついてる。


きっと、大丈夫。



かばんにそのノートを詰め込み、明日の入試に備えた。