『着いたら電話するから』



先生が昨日の電話でそう言ったから、私は朝から携帯を握り締め、いつ来るか分からない電話をドキマギして待った。




♪~♪~♪~♪~♪



夕方。


携帯の着信音が鳴り響く。

どれほどこの着信を心待ちにしていたか。


先生だけ違う設定にしてある着メロは、先生が好きだと言っていた曲。

今日借りるCDの曲。


先生が好きって言うものなら、私きっと何でも好きになっちゃうよ。



「先生?」


『あ、桜?ごめんな、待ってただろ?今家の前にいるんだけど、出てこれるか?』


「うん!今すぐ行くから待ってて!」



鏡で全身をチェックして、外に出た。


先生の大きな白い車が、家の前に止まっていた。



夢みたい……。




「桜ぁ~!ほら、CD!これでいいか?」


「うん!何でもいい~!どうもありがとう!わざわざごめんね。」


「気にすんな!」



私の頭をくしゃくしゃっと撫でる先生。


先生に頭撫でられるの、久しぶりだなぁ。