突然私の目の前にあらわれたのは、見覚えのある大きな背中。 



「お前らいい加減にしろ!!」


聞いたこともない低い声。

いつもよりすごい迫力の怒鳴り声。


先生、本気で怒ってる。


さすがの愛梨たちも反論しない。



「大丈夫か?」


先生に手を掴まれ、ゆっくりと立ち上がる。


先生の顔が見れなかった。


「ありがと…。大丈夫。」


くるみが私に駆け寄り、目に涙をためて、私を抱き締めてくれた。



「愛梨、放課後職員室に来い。俺を本気で怒らせんな。」


先生はそう言い残し、去って行った。