念願だった席替えをした。


私は一番後ろの席になった。

愛梨は一番前の席だった。


愛梨と距離を置くことが出来て、安心した。


『先生と話せる~!』とはしゃぐ愛梨。

私は、小さくなって下を向いた。



「あれ?席替えした?」



久しぶりの先生の授業。


先生の一言一言に機敏に反応する、積極的な愛梨。

私に見せつけているのだろう。



私は、あれから先生にメールも電話も一度もしていなかった。

授業がなかった日も、会えなかった日もしなかった。


これ以上、先生に迷惑をかけたくなかった。



先生は担任でもない、ただの数学の先生。


先生が忙しいことなんて、誰よりも知っている。

本当は、私にかまっている暇なんかないはず。



先生を誰よりも頼ってる。

でも、甘えすぎちゃだめだ。