「美紀さんと、子供さんはどうなったの?」



走り出す車。


先生は、ミラー越しに私の顔を見る。



「話し合ったよ。また一緒に住む気はさらさらなかったから、俺が隼人と空と彩が成人するまで教育費払うって決めた。あいつさ、浮気した男と喧嘩して俺んとこ来たんだよ。だから、大丈夫!」


「そっか…」



安心して、力が抜けた。


先生は、やっぱり素晴らしい人だと思った。



「私ね、先生に会いたくて、学校に行ったの。そしたら先生に何も変わってなかったから、私のこと忘れちゃったのかと思った…。」


「ばーか。忘れるわけねーだろ!四六時中お前のこと考えてたよ。俺、かなり泣いたんだからなぁ…。あとでまたお仕置きな?」



先生はそう言って、笑って私の頭を撫でた。



私も笑った。