「さっきからすっげーいい匂いすんだけど、何作ってんの?」


先生が私の頭の上で、明るい声を出した。

重かった空気が、一瞬で明るくなる。


「パスタ!先生、好きでしょ?」

「お、マジで?俺も何か手伝おうか?」


先生の優しさに、顔がニヤける。


「ううん!先生、疲れてるでしょ?それに、全部自分で作って先生に食べてもらいたいから…」

「ん、そっか!かわいい…桜。」

先生はそう言って、私のおでこにキスをすると、ベランダのソファに腰かけ、テレビを見て待っていてくれた。


出来上がったパスタは最高の出来で、先生は『うめぇ~!』って全部食べてくれた。


「もうすぐ結婚できるな。結婚したら、俺やべーよ。毎日ニヤけちまうんじゃねぇかなぁ…。」

真顔で、そんなことを言ってくれた先生。


すっごく幸せ。