「別に構わない。俺はこの仕事に誇りを持ってるし、何より大事に思ってる。でも、今は桜が1番大事だ。こいつと一緒にいられるなら、他に何もいらない。」


迷いのない、先生のはっきりとした口調。


涙が溢れた。


だめだよ、先生…。

ここまで頑張ってきたのに、そんなこと言っちゃだめだよ…。



必死で私を守る今の先生には、きっと誰も敵わない。


汗が流れる先生の横顔は、何よりも美しかった。



沢崎先生は、一瞬驚いたような顔を見せた。


そして、大きくため息をついた。


「今の言葉、しっかりと覚えときますよ。」


沢崎先生はそう言い残し、屋上を去って行った。