やるべきことを全て終わらせ、美術準備室へ行こうと席を立った、その時。


「平本先生、ちょっといいですか?」


声を掛けてきたのは、私が担当するはずだった、3年4組の沢崎先生。


沢崎先生は、体育の先生。

さわやかな印象と端正な顔立ち、男らしい体格で、女の子からはすごい人気。


愛ちゃんが、城島先生と同じくらいみんなに騒がれてるって言ってたな…。


確かにかっこいいけど、私は城島先生だけだもん。



私は沢崎先生に連れられて、屋上へ向かった。



「すいません、こんなところまで…。」


「いえ、どうしたんですか?」


私がそう尋ねると、沢崎先生は真剣な顔になって私を見た。