愛のガチ契約

「…でも理事長が言うことすべて鵜呑みになんてしてないけどね」

この教室にいてもおかしくはないと感じさせるしゃべり方。

姿は高そうなスーツを着ているけど年が近い雰囲気がする。


「…あ、遅刻の子?
髪、湿ってるね…ま、通りなよ。
ココ、君の教室でしょ?」

眼鏡紳士は親指で教室の床を指す。



「は、はぁ…どぉも」

飴子は鬼寺たちに渇を飛ばされるのは慣れてるけど
ここまで同年代の男に紳士的に振る舞われるのもなんだか気分が悪い。

でも今、飴子できることは席に着くことだけ。



「そのチンケだって話、生徒代表ってことも含めて詳しく聞きたいな。
その分授業は公欠扱いにしてもらうよう連絡しておくよ。」

眼鏡紳士はパチン、と指を鳴らす。


「いくらヤンキーでも一人じゃ寂しいだろ?
一番の親友がいれば一緒に連れてきなよ。
…じゃ、蓮見。
そぉいうことだから」


「はい。かしこまりました」

突然、廊下に姿を表した白髪交じりの老人は軽く頭を下げた。