「願いなんて叶う訳が無い」
君は私にそう言ったよね。

だけど、諦めたら、
諦めてしまっては何も始まらないんだよ。
私にはもう無理だけれど。

君なら出来るって信じてる。

ごめんね・・・。約束守れそうにない・・・。
私はもうこの世界では生きていけない。

だから、今私はこんな所にいる。
自分の通う高校の屋上。
体に当たる風が心地よい。

これで楽になれる
そして私はこの世界に別れを告げ―------。

この世界を捨てる。


つもりでいたのに。

君は私を呼び止めてしまう。
その上、君が言った言葉は、

「ずっと、好きだったよ。」

それは、私が一番欲しかった言葉だった。

その言葉を聞いた私は、

心が少し、決意が少し、

揺らいでしまったんだ。

だから、馬鹿な私は、振り向いた。
この世界で一番してはならないことだと知っていたはずなのに。

「また、君は振り向いてしまうんだね・・・」

その言葉が聞こえてきた瞬間、



視界がぐらついた。

気がつくと私の体には、
私の血が滴り落ちて
鈍く光る短剣が刺さっていた。

あぁ、私はまた、
君に殺されてしまったのか。

私は大好きな君に
殺される運命を覆したかった。

ただ、それだけだったのに。

そして何度も、何度も同じことを繰り返す。

「僕はこの世界の番人だ。
 ルールの背いた者を排除する義務がある。
 だから・・・・ごめん。」

うん、ちゃんと理解してるから
お願い、謝らないで?
いつも最後に君の辛い顔を見るのは・・・
辛いからさ。

最後くらい笑顔でいて?

だって君は、同じことを繰り返す度に、
君は私との記憶を忘れていってしまうのだから。

私の血が溢れていく。
その量が多くなり、私の意識は














ブツンッと途切れた。