暇なヒマな文芸部。
部室は雑談にしか使わない。
部室の窓からはグラウンドを眺められる。
陸上部の女が一人、蒸し暑い中ひたすらトラックを走ってる。
「ねえ、あの子どう?」
トラックを走りつづける女を指差した。
「オレ却下。火野って元気すぎてニガテなんだ」
「そうかな?僕は好きだな、ああいう子」
拒否の意を示したのは木内充(きうちみつる)、好みだと言ったのは土谷春樹(つちやはるき)。
「カコは火野さん、苦手?」
「水城は火野よりも、火野の幼なじみの金森が気になってんじゃねえの?」
この二人の言うことは、いつも心理に迫っていて否定できない。
「金森と火野さんは付き合ってないから、告ったらいんじゃない?」
その上、取り留めのないことをいう。
「実はね、今、返事待ちなの」
私が二人に告げたとき、二人は意外そうにこっちを見た。
部室は雑談にしか使わない。
部室の窓からはグラウンドを眺められる。
陸上部の女が一人、蒸し暑い中ひたすらトラックを走ってる。
「ねえ、あの子どう?」
トラックを走りつづける女を指差した。
「オレ却下。火野って元気すぎてニガテなんだ」
「そうかな?僕は好きだな、ああいう子」
拒否の意を示したのは木内充(きうちみつる)、好みだと言ったのは土谷春樹(つちやはるき)。
「カコは火野さん、苦手?」
「水城は火野よりも、火野の幼なじみの金森が気になってんじゃねえの?」
この二人の言うことは、いつも心理に迫っていて否定できない。
「金森と火野さんは付き合ってないから、告ったらいんじゃない?」
その上、取り留めのないことをいう。
「実はね、今、返事待ちなの」
私が二人に告げたとき、二人は意外そうにこっちを見た。


