放課後。
私達は学校近くのカラオケBOXに来ていた。
「あずも頑張って彼氏つくらないとだよ?」
私に彼氏なんて必要ない。
はっきり言って邪魔なだけ…
こんな事を言うと、なんで化粧してんの?とかいろんな質問がくる。
そんなこと私にもわからない。
なんでだろう。
なんで何もかも私の思い通りに行かないんだろう。
そんなとき私の世界に一つの声が入り込む。
「ねぇ。聞いてる?」
私は少しぶっきらぼうに答えた。
「何?」
花菜は私の顔を覗きこみ
「怒ってる?」
と、一言。
別に怒ってる訳じゃない。
ただ、私の思い通りに行かない世界に怒ってるだけ…
多分。
小さい頃からそうだった。
全部ママの言いなり。
この高校に入った理由もそうだ。

そんな事を考えてたらいつの間にか男たちが来た。
「こんにちはー。
遅れてごめんね。」
3人の男が私達の前に座る。

1人だけ雰囲気が違った。
彼の名前は聖夜。
なんだか胸がざわざわしたような気がした。