コンパス〜いつもそばで〜



「さてと、行こっか」


食べ終えたクレープの包み紙をベンチの隣のゴミ箱に捨て、沙耶が声をかけた。


「あ、うん」

最後の一口を口に入れ、くしゃくしゃと包み紙を丸めながら立ち上がる。


「何時から練習?」

携帯で時計を確認しながら沙耶が聞く。


「は?」

練習って?


沙耶の聞いていることが何のことかよく分からなくて首を傾げた。



「だーかーら、宮下って人に会いに行くんでしょ。今日は何時から練習あるの?」

「は? え?なっ、何?」

突然何を言い出すのよっ。会いに行くなんて一言も言ってないのに。



もう、明日美、焦りすぎ〜ってケラケラと笑うと、ふと真面目な顔に戻る沙耶に、こっちまで身構えてしまう。