コンパス〜いつもそばで〜

「明日美と同じ出身地だって聞いて、知り合いなんだろうなって思ったんだ。
ん〜、もっと言うと、多分、明日美はその人を特別に見てた。ただの知り合いってだけじゃなく、なんだろう。もっと深い位置の関係でさ。
だから明日美は、あんな感じで宮下って人見てたのかなって、そんな感じ」


どう?結構当たってるでしょ?

そう言って笑ってくれるから、こくりと頷く。


そう。
沙耶のいう通り。

「ごめんね、沙耶」

「え?何?」


突然謝ってったからびっくりしたんだろう。驚いている表情の沙耶にきちんと聞いてもらおう。

親友だから。
隠し事したくないから。

沙耶なら、どんな話でも茶化すことなく、きちんと受け止めてくれるから。


「黙っててごめん」

「ん?」

「宮下くんのこと」

隠すことはなかったのに、何故か言えなかった。

きっと、それは宮下くんが私とかけ離れた存在だと思っていたから。

プロのサッカー選手でファンも沢山いて、私とは違う気がして、だから、そんな人に特別な感情持ってるの、笑われるっていうか、呆れられるというか、現実見てないなって言われるのがこわかったのかも。