「あっ、宮下選手だっ!」 すぐ傍で女の人の声が聞こえ、見ると、練習着の宮下くんがクラブハウスへ向かって帰ってくるところだった。 「宮下選手〜!」 誰かの大きな声が合図かのように周りの人たちも宮下くんを呼び始める。 そんな声に応えるようにファンの人たちの方へとやってくる彼。 ふっと、目が合ったような気がした。 その時、 「前田っ!」 それは突然の出来事だった。 彼は小走りで私の目の前へ来ると、手を引っ張ってファンの人たちの少し後ろの場所へと連れ出したのだ。