隣の席の彼は、俺のその言葉に無言で頷くと、何か思ったのか、無造作に鞄からルーズリーフとボールペンを取り出して、携帯を見ながら何かを書き写すと、 「あの、これ」 その紙を俺に差し出した。 「え?」 何? 「前田の連絡先です。 あいつ、あなたに連絡先も何も教えてないみたいだから。 金曜日、前田の誕生日なんです。誕生日プレゼントとして今週末のあなたの試合、仲間と一緒に観に行きますんで、試合、頑張ってください」 「あ、ありがと」