扉を開けると“チリンチリン”とドアベルの鐘が揺れ、同時にカレーのいい匂いが漂ってくる。

匂いに誘われて空腹のお腹がぐぅと音を立てそう。




「いらっしゃい」


もう午後2時を過ぎていると、店内に客の姿はなく、カウンターの椅子に腰をかけていたおかみさんが、ドアベルの音に反応して扉の方を振り返り声をかけた。