「おっまえ、珍しく訪ねて来たと思ったら教科書貸せとかほざいたうえに、落書きのオマケ付きで返すとはいい度胸してんじゃねーか!あ?あ?」
「りゅ、竜、近いから。近いから。」
こいつは隣のクラスの星谷竜。
この男、すさまじくイケメンだけど、すさまじく恐い。
でも。
「あ?俺とチューもセ○クスもしたことあるくせになにが近いだよ純情ぶりやがって。あほか」
そう。元カレ。
まぎれもなく、元カレ。
しかも不思議なことに、今まで付き合った中で1番長く続いた。
「しーっ!そういうことを大声で言わないで!てゆーか口に出すな!」
「事実だろ」
「威張るな!」
とことんこういう男だ。
関わりたくないのに、ずっと桃花といたために他のクラスに友達がいない私は、ついつい竜に頼ってしまう。
「ま、落書きの件は今のでチャラにしてやる。」
「は?」
「お前おもろいからなー。じゃあな!」
こういう、意味不明なとこもある。
よくあんな男と付き合ってたよ 、私。

