「ただいまー。おばちゃん、今日もいい匂いだねー。」


「今日はビーフシチューよー!」


「うわ!すげー!うちそんなん出たことねぇよ!」



「ふふっ。もうすぐ出来るからねー!」






ちっ
帰ってきた。


あたしが帰って漫画を読みあさって気づけば三時間。部活を終えたやつが帰ってきたらしい。





ガチャ




へっ?!






「おい、帰ったぞ。出迎えろよな。」



ちょ、



「ちょっと勝手に入って来ないでよ!変態!ヘンターイ!!!」



「お前、漫画読みすぎ。」




三浦は、あたしの横に大量に積み重ねられている漫画を見て言った。




「そんなに暇なら俺の部活見に来いよなー。なんで他の女はたくさん見にくるのにお前は来ねーんだ?」




なにこいつ!!!!!




え、
誰こいつ!!!!!!!!





「なっそんなん三浦のただのファンでしょ!あたしファンじゃないし!」



「へー。え、なに?俺のこと誘ってんの?」




そうじゃない!!!!
そういうんじゃないから!!!!!!
なんのポジティブ?!
てゆーかだから誰?!!!




「なんなのあんたさっきから気持ち悪い!三浦はどこ行った?!戻ってきてー!!!!」



「そうた」



「え?」



「だから、そうたなの。俺。俺は"そうくん"。分かる?」





はい?




「分かる?俺、そうくん。」




三浦はそう言いながらあたしに徐々に近づいてくる。




「な、なにいってんの?み、み、三浦は三浦じゃん?」




後ずさる私。




「おい次三浦っつったら犯すぞ!」




ひぃっ!!!!




ついにあたしの背中が壁に着いて、三浦があたしに迫る。




「ゆいー!そうくーん!ごはん出来たわよー!」




お母さん、神!!!!!!!




私は思わずその場に座り込む。


三浦はちっと舌打ちをして部屋を出て行った。