「で、今日は体育祭の実行委員を決めたいと思う!重要だぞ!重要だぞ!もう一度言う!重要だぞ!誰かこの大役を引き受けてくれるやつはいないか?」





そんな前フリで誰がやりたいのよ。





「・・・・仕方ない。じゃあ今年もくじ引きで決めよう。」






そう言って先生が出したのは、プラスチックのコップに入った男女別の人数分の割り箸だった。





「赤を引いたら当たりだ!心してかかれよ!」





もはやどっちが当たりなの?

そんなことを思う私をよそにざわつく教室。
みんなが席を立って割り箸を引きにいく。


よかったーと安堵の声が聞こえる中、その声は聞こえた。





「あ、当たり」




みんな一斉にそっちを向く。

男子で当たったのは、なんと三浦だった。



「えっ!三浦君となら私やりたいかも!」



なぜか女子が騒ぎ出す。
じゃあくじやめようよ。
とか言ってももう始めちゃってるから遅いわけで。




「ゆいの番だよ!」


桃花があたしにコップを差し出す。
そこにはいつの間にか残り二本になっている割り箸が。




「あ、あたしもまだだから一斉に引かない?」



そう声をかけて来たのは、学年でも可愛さトップの朝倉愛菜ちゃん。
華奢な体にふわふわの長い髪。小さな顔。大きな目。



いけない。鼻血が出るとこだった。





「「せーのっ」」