「ほらお前ら席につけー!」



気付いたら担任の山口先生が教壇に立っていた。


山口先生は若くていかにも熱血教師〜な先生。


もちろん担当教科は体育。


あたしたちからしてみれば若い男の先生はとっても話しやすい存在なんだけど、実は野球部の顧問で優や三浦からしたらものすごく厳しいこわ〜い先生らしい。






「さぁみんな!今年も来たぞ!」



そんな先生が急に声を張り上げた。
去年も同じ担任だった私にはこの先のセリフが分かる。




「いよいよ来月は体育祭だ!お前ら俺のクラスなんだから、もちろん優勝してもらうからな!」




はい熱血ー。
はい空回りー。
ほらね。去年と一緒でみんなシラけて・・・




「うぉーーーー!さすが山口先生っす!やっぱ体育祭はそのノリでなくちゃね!」




あれ?
やけに熱血なのがもう1人いた。
忘れてた。
去年は別のクラスだったこいつがいた。





「おうさすがうちの四番バッター本田!分かってくれるか!?分かってくれるのか!?俺去年は寂しかったんだよ!俺はお前のような生徒を待っていた!いや、今年はお前とエースの三浦を始め、陸上部の川村と佐々木もいるからな!期待出来るぞ!」





「はい!優勝しましょう!」





今日のホームルームはほぼ2人の会話となった。